専業主婦に憧れて

退職後の時間潰し日記

不思議体験

夏の風物詩の怪談話。

みなさんのブログだったり、テレビだったりで見かけて、もうそんな季節だなぁと思う。

 

そう言えば自分も一度だけハッキリと見たことがある。

もし幽霊の存在の有無を聞かれたら、わからないと答えるが、その一度の経験から、存在するかもしれないとも思う。

だけどやっぱり半信半疑だ。見たことは真実なのだけれど。それが100%幽霊だったかと問われたら、自分には未知の存在だから確信を持ってイエスと答えることができない。

 

大した話じゃないけど、もしかしたら怖いかもしれないので苦手な方はごめんなさい。

 

小学3年生の夏休みに、祖父母の家へ泊りに行った時のことだった。

玄関を入って目の前にある障子戸を開くと8畳くらいの和室があり、その部屋に家族で寝た。その障子戸は上下に和紙が貼ってあるが、真ん中が20センチ幅くらいのガラスになっていて、部屋から外側が見えるタイプだった。

 

よく、草木も眠る丑三つ時、というが、まさにそんな時間帯だったと思う。真夜中に突然目が覚めた。

 

障子戸のすぐ横の布団に寝ていた私は、なぜか外が気になり、ムクッと起き上がり障子戸の真ん中のガラスから覗いて玄関を見た。

1メートルくらいの廊下を挟んで正面に玄関がある。古い家なので玄関ドアは曇りガラス製の引戸で、少し外が透けて見える。

その曇りガラスの外側に、私と同年代くらいの男児が立ってこっちを見ていた。
見ていたというか凝視していた。ギョロッとした大きな目で、怖い顔で睨んでいたと言うべきか。

外は暗いが玄関灯りの下で、その子は曇りガラスに張り付くようにぴったりくっついていて、顔かたちがハッキリと認識できる。

よく幽霊って足がないとかおぼろげに見えるとか聞いていたけれど、足はある。そしてあまりにハッキリクッキリ見えるので、え?誰?なに??って感じで、何が起こっているのかわからず、しばらく男児と見つめあっていた。

何なら、近所の子?と思ったりしたが、こんな深夜に子供が立っているわけがないし、身動きひとつ、瞬きひとつしないで私を凝視している顔は、人間ではない何かを感じさせた。

初めは、幽霊?人間?と困惑していた私も、しばらくすると急に怖くなってきた。
同じ部屋に寝ていた誰かを起こせば良かったのに、なぜかそれをするのが怖くて、それをしてはいけないような気がして、そのままもう一度布団に潜り込んだ。

恐怖のあまりどうしていいかわからず、しばらくの間布団をかぶって怯えていた。
一体今のは何だったんだろう…
もし人間だったらもうどこかに行ったかな…
でも人間の顔つきに見えなかった…
なぜどうしてホワイ…(古)

と、30分くらいグルグル考えていただろうか。もうさすがにいないだろうと、そ~っと起き上がり障子戸のガラスからゆっくり玄関を覗いてみた。

 

いた!
さっきと全く同じ状態で。一ミリも動いてない。

 

怖!!

 

私はまた布団に飛び込んで、頭から布団をかぶった。

 

まだ私を見てる!どうしよう!こっちに来ないで下さい!助けて!…


と祈りながら、いつの間にか寝てしまった。

 

目が覚めたら夜が明けて明るくなっていた。
私は真っ先に障子戸のガラスから玄関を見たが、もう男児はいなかった。

 

すぐに母にその話をするが信じてくれなかった。親戚たちも一緒になって、そんなばかなと笑い、本当なのに…。と悔しい思いをした。

この辺で昔何かあったとか、子供にまつわる不幸などもなかった。

でも絶対に夢じゃなかった。それはもう普通の人間と同じようにハッキリと見えたのだ。
だいたい夜中に目が覚めて、意味もなくガラスから玄関を覗くこと自体が、彼に呼ばれたとしか思えない。

そんな体験をしたので、私は霊感が強いものと思いその後も心霊体験することを覚悟していたが、まごうことなき姿かたちを見たのは、それが最後だった。次の年も泊りに行ったが、彼は現れなかった。

何かを伝えたかったのか?いつか、そういうことだったのか〜、と思わせるような出来事が起こるのか?
などと思ったが、それらしきことは起こらず、もう半世紀も生きてしまった。
特に何かの予言ではなかったらしい。

 

だが今でもまだ、妖気漂うような、怒りのこもった男児の表情は覚えている。
本当に不思議な出来事だった。
世の中には説明できないことがあるのは確かなようだ。

 

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