専業主婦に憧れて

退職後の時間潰し日記

親知らず抜歯 退院前夜〜当日編 day4

〜複数親知らずを抜くため入院した記録⑦~

⑥はこちら↓

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退院前夜の20時過ぎ 

 

昨日から同室の清川虹子さん(声から命名)が舌打ちをしながらナースコールを連打し、応答した看護師さんに怒鳴った。

 

眠剤持ってきてよ!あれがなきゃ私はだめって言ったでしょ!」


病室内がピリつく。
病院に預けた10年愛用の眠剤を午後8時に持ってくるのを看護師さんが忘れたのだ。

 

持ってきた看護師さんに尚も治まらない怒りをぶつける虹子さんにとって、相当重要な眠剤らしい。

その気持ちもわかるし、複数患者を担当して忙しい看護師さんの事情も察する。

最終的には、感情的になった虹子さんもさすがに気まずくなったらしく、看護師さんに謝って一件落着。

 

ただ。

そのあと私は、虹子さんの睡眠が気になって仕方なくなった。

民剤にこだわる虹子さんの眠りを妨げちゃいけない… 虹子さんが寝れなかった!とヒステリーを起こすんじゃないか…

昨夜私がオエオエする向こうでいびきを掻いてグーグー寝ていたが今日は静かだ。民剤飲む時間が遅れて寝られないのだろうか…

私もいびきや歯ぎしりをしませんように…

 

点滴のせいで夜中何度もトイレに行く度に、音を立てないようにソ~っとカーテンを引き、点滴スタンドをやや持ち上げるように引くとガラガラ鳴らない技を習得し、トイレのドアも静か~に開閉。

気配りの塊と化した自分。どんだけ”気にしい”なんだ。

 

そんな私に相対して、あとのお三方は物音を立てることに何のためらいもなく、ガラガラ、バタン、シャッ、ふぁ~(アクビ)。三人ともめちゃくちゃ咳き込む。(そりゃ仕方ない)

それで全然いいんですけどね。

 

 

朝5時 虹子さん起床

虹子さんがトイレへ行く時の大きな物音で、浅い眠りから目覚める。
トイレから戻ると朝のルーティーンが始まった。ベッドの上で足の体操。ポン、ポン、ポン、ポン、ポンと足を叩いているらしき音が永遠に続く。そのあとシーツをこするサー、サー、サー、サー、サーって音。恐らく足を動かしてるんでしょうかね。もうその音が気になって眠れない。一瞬かと思ったら30分やってましたわ。起床時間の6時まで待てないのかなー。

私は絶対に今日退院する!と決意を強くした。
嫌味じゃなく、あれくらい図太くなりたいものです。

 

そのまま起床時間となり朝食後の診察で、無事に退院確定。
先生が処方箋と次回の抜糸予約をシステムへ登録。

病室に戻り、未だ装着されている点滴を取り外して下さいとナースコールをするが、看護師さんは不思議顔で、まだ栄養剤と抗生剤の点滴が出ていますけど?と。

先生からの指示が看護師さんに届いていないようだ。

 

え、もう退院なんですが?10時に夫が迎えに来るんですが?

 

結局先生からは、帰る前に抗生剤だけはするようにとのこと。最後の最後まで点滴から解放されずベッドで点滴が終わるのを待つことになった。

点滴に繋がれ、動きも取れず着替えもできず。

なんだかな~な気分で、やっと点滴が終わり管を抜いた時の解放感たるや。

さて、ちゃっちゃと荷物をまとめ支度して会計待ち。まだ微熱もあり本調子じゃないので少し気分が悪い。また具合悪くなる前に早くここを出てしまわなければと焦る。

 

その間ゴミ捨てやベッド交換が来るが、私が退院することが伝わってないらしく、

「今日退院ですか?聞いてないねぇ、コソコソ…」ということが2回。

 

30分くらいしてやっと会計の方が来た。これで帰れると思ったが、この後看護師さんが荷物や薬の置き忘れがないか等を確認に来るので待つように指示される。

病み上がりにパイプ椅子に座ってじっと待っているのは結構キツイ。しかも全然来ない。約30分後しびれを切らしナースステーションへ行くと、これまた私の退院が伝わっていなかったのだった。

憮然とした私の空気に慌てて病室へ来てくれた看護師さん。一緒に荷物の確認をするのかと思っていたが、ただ「忘れ物はありませんか?もしあったら取りに来てもらうか、廃棄になりますから」とお断りの言葉を言うだけ。

 

これ待ってる必要あった??

 

と最後にケチがついた入院となったが、先生や看護師さん一人ひとりはとても頑張ってくれているのに、全体の連携が上手くいっていないのが残念な病院、という印象だった。人手も足りないのかな。

 

今回の教訓↓

ケチって相部屋にしたが、もしまた入院することがあったら個室一択。
万が一個室が空いてなければ、耳栓、アイマス、は必須。
それからオケとティッシュも欠かせないことを忘れるな。(自分だけ)

 

【完】

 

 

親知らず抜歯 術後編 day3 延びた退院

~複数親知らずを抜くため入院した記録⑥~

 

⑤はこちら↓

 

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今日でおさらばと思ってた点滴が外れないばかりか、栄養剤に吐き気止めの点滴も追加になった。

 

一時は山を越えたと思えたのにどうしてこんなことに…

 

トイレの成功に気を良くし、顔を洗ったりうがいしたり、無理して動いたあたりからおかしくなったかも。

もう油断はすまい。とにかく今は静かに寝ることに専念しよう。周りが騒がしくて熟睡はできないが、痛み止めの錠剤を喉に流し込み、ベッドに横になり目をつぶった。

 

12時 昼食

退院するためにも食べたい。吐く恐怖をねじ伏せてエイッと起き上がった。セーフ。前ほどの吐き気が襲ってこない。

 

五分粥、味噌汁、煮魚、トロミのついた青菜。

 

飲みやすい味噌汁でちょっとずつ胃を慣らす。まだ口も充分開かないし、3箇所の患部に当たらないよう前歯で少量ずつ噛むが非常に食べづらい。

胃がムカつくせいで食が進まないが精一杯食べる。味噌汁を完食、それ以外は四分の一くらいずつ口をつけた。味がない5分粥の不味さに吐き気を催しそうになり食事ストップ。すれすれの線でなんとか堪えた。

 

この流れに乗って、ずっとできなかった歯磨きにチャレンジ。

部屋共有洗面台は窓側中央。そこで吐くのだけは避けたいが、一か八か思い切って洗面台へ、お守りのオケを持って。大丈夫そうだ。

口の中が痛くて歯ブラシで撫でる程度だが、無事に吐かずにベッドに戻れてホッとひと息ついた。

 

15時頃 オケとトイレットペーパーを持ち、点滴スタンドを引きずりトイレへ行くが、吐かなかった。午前中よりいい感じだ。やっと麻酔が体から抜けきったのか。

手を洗う時、初めて鏡で自分の顔をまじまじ見た。

 

こまわりくん?

 

今まで苦しすぎて鏡も見てなかったが、すごい顔になっている。この顔で過ごしてたかと思うと急に恥ずかしい。そりゃ3本も抜けば腫れあがるか。

口の両端は裂けて血が固まってる。更に下唇の外側に大小のカサブタがいくつかあってなんか傷だらけ。これ手術と関係あるのかな?

 

トイレから戻ると麻酔科の先生が待っていた。退院延期になるくらい体調を崩したので説明に来たのだ。まとめると、

○吐き気止めを入れるなどしたが、鼻腔が狭かったため逆に太い管を挿す必要があり麻酔を強めた
○目覚めてシバリングした(体が震えた)のも麻酔の後遺症
○飲み込んだ血液は胃で消化できないから吐いた
○多少メニエールの影響もあるかも
○女性は麻酔に弱く吐く人が多い

 

ということでした。

 

 

気分が良くなってきたので携帯通知をオンにしたら夫から様子を伺うラインが来ていた。こまわりくん顔を自撮りして(我ながら吹き出した)送ったら爆笑スタンプが返ってきた。

ラインする余裕が出てきて歓喜する。

お昼も少ししか食べてないのでお腹も空いてきた。冷蔵庫に夫が買ったパウチタイプのバナナゼリーがあったのでちびちび食べた。吐き気も大丈夫そうで嬉しい。

 

よし、明日退院するためにも元気なところをアピールしていこう。

様子を見に来た看護師さんに「ゼリーなんて食べちゃいました~」と強調。看護師さんも、いいですね、どんどん食べて下さい!

 

 

18時 夕飯

 

五分粥、味噌汁、蒸し魚、ポテサラ、野菜煮。

 

口内が痛いのでちょっとずつゆっくり。普通に食べられそうなのに実際食べ出すとまだ体が受け付けない。でも完食して退院を確実にしなくては。

相変わらず味のないお粥に吐き気を誘われながらなんとか半分食べた。魚も半分が精一杯だがそれ以外は必死に完食した。

食事中に先生が様子見に来たので、「こんなに食べました!帰れますよね!」とほぼ完食した食事を見せた。

 

これで栄養剤の点滴もストップしてもらえるだろうと踏んでいたが、夜勤で交代した看護師さんが明日の朝までの分と言ってまた点滴2袋持ってきた。セットしながら、「先生が張り切って点滴2つも出してるから夜中何度もトイレ行きたくなるかも」と言った。

「えーさっき夕飯ほぼ完食したって言ったんですけど~!」と訴えるが、看護師さんにはどうしようもないらしい。医師が複数いると細かい連携が取れないのだろうか。

 

点滴に拘束されてると、管が邪魔で自由に動けないし、トイレも歯磨きも点滴スタンドを持ちながらなのが不便で仕方ない。とうとう退院までこのままか。。

 

 

でも吐き気からは解放されたようだし、あと一晩の辛抱だ。
ただ一度ぶり返したから油断はできない。術後の微熱(37.4℃)のせいか頭が痛いのでカロナールを飲み、調子に乗らず大人しく寝る体制に。

 

【そろそろ完結へ…】

無職の新年の感慨

新年が明けたという実感がどこか薄く、いつものゆるい日常の続きという気がするのは無職だからかもしれない。

例年は年が明けると、仕事始めまでの束の間の休みをカウントダウンして憂鬱になっていた。

今年は何十年ぶりかに心穏やかに駅伝を見られている自分にしみじみ幸せを感じる。(個人的には駒大応援してたので残念)

ただ元旦から災害に見舞われ不安な幕開けをした日本。他人事ではない。平穏な年であることを祈ります。

 

年始は夫の実家で美味しいごちそうをいただきました。いつもありがたい。

新幹線で行く距離だけど今年は日帰りで。数日泊る夫を残し一人先に帰る嫁って感じ悪いですか?以前は私も泊まってたけど、そろそろ日帰りでもいいんじゃないかと思いまして。子供がいない嫁はちょっと居づらいというか。

夫のご家族はとても温かく迎えてくれて何の不満もないのに、基本コミュ障の自分は気を遣いすぎてしまい泊りは疲れる。これは自分の問題。

 

でもお義母さんの立場で考えると、その方がお互いのためかな?と思うんだけど、どうなんだろう。嫁がいるより息子だけの方が色んな面で気楽じゃないのかな?

性格や関係性によりますかね。何とも言えないかな。

 

何にしても夫のご家族は良い方たちなので、日帰りで帰ることに申し訳無さを感じる。でも泊りは…。スイマセンこんな性格で。

 

一人気ままにコーヒー淹れる時間の幸せなこと。
夕飯も自分だけだから何でもいいし。一人になるといかにズボラ人間なのかを痛感。

 

夫が帰ってきたら早く仕事決めろと怒られそうです。えへ。

 

皆さま良いお年を

 

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体調不良と食事の楽しみ

退院してから開放感と安心感で、調子に乗ってスマホを頻繁に使っていたら昨日久々に気持ち悪くなりもどしそうになってしまった。

メニエールのせいもあるかもだけど、この不快感て昔からで。独身時代に実家の自分の部屋でパソコンやってるとよく吐きそうになってて。電磁波のせい?と思ったりしたけど、実際は原因不明で。今でも気持ち悪くなったり大丈夫だったり、その時によるけど何の違いなのかわからないし、本当に理由を知りたい。同じような人がいたら教えてほしいです。

 

なので今日は内容の薄い日記です。

夫と南部市場に行ってきました。平日なのでそこまで混んでなかったけど、お昼時の食事処は満席で並びました。

やっぱり海鮮系が新鮮で美味しそうでした!隣の方が食べてる定食とかちらちら見てしまった。すいません。

私は久々に食べたいと思ってたカキフライ定食を。


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牡蠣が大きくて美味しかったです。

専業主婦になってからはほぼほぼ自分の料理ばかり食べてるから、外で食べると一段と美味しくて気分が上がります。

 

市場の方はやっぱり蟹が安いです。毎年年末はネットで蟹を購入してるけど、市場では見たこともない超巨大なタラバの足が1万円以下でした。電車だから諦めたけど、もし車なら買いに来たい。かなりお買い得でした。

 

そこから近くの三井アウトレットパークへ移動しショッピング。特に買うつもりはなかったのに結局私だけ冬服買っちゃいました。まだ収入ないくせに…ま、たまにはいいか。。

こういう時夫はなぜか私に沢山買わせたいみたいです。(私の貯金から払うんだけど)収入ないんだから節約しろとか言いません。

でもライブのチケットを買うと怒るんです。どういう心理?ライブは人生で一番の楽しみだから黙って行かせてくれたらいいのに。これも私の貯金なんだし。ムキっ。

 

 

 

目の前がマリーナ。今日は寒かった〜。


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夜はクルーザー(ヨット?)のライティングが綺麗でした。

そのまま夕飯もフードコートで済ませました。お昼のカキフライが美味しかったからか、夕飯はイマイチでしたが、ここはいつも空いててのんびりできます。平日だからかな?

 

そんな1日でした。

 

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親知らず抜歯 術後編 day3 覚めない悪夢

~複数親知らずを抜くため入院した記録⑤~

 

④はこちら↓

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朝5時過ぎ 目が覚め尿意を感じる。

一度付き添ってもらったからもう一人で行っていいはずだが、吐かずに行けるのかめちゃくちゃ不安。でもやってみるしかない。なんたって今日退院予定なんだし。頑張れ自分。

思い切って起き上がってみると、あれ?意外と大丈夫。これなら行けそう。しかし三種の神器は欠かせない。オケを口元にティッシュ点滴スタンドを掴みヨロヨロとトイレへ。

無事に戻ってこれた。やったー山は超えたらしい。わーい。

 

6時 起床時間

看護師さんが来たので、トイレに一人で行けました!と報告。看護師さんも、昨日より顔色がいいです!と喜んでくれた。水分摂って下さいねと言われたので二口程度水を飲んだ。

ちょっと経つと、あれれ、なんかまたちょっとキモいような…
気のせいであれ。

 

7時 朝食が運ばれてきた。

お腹はすいてる。よし、食べよう。

横のスイッチでベッドの背を立てていくと、再び気持ち悪さが。そんなはずない、山は超えたはずだ。でも体は正直で垂直にしたら吐きそうだったのでやや斜めの角度に戻す。

ダメダメ、なんとかここを乗り超えなくては。自分に鞭を打つ。

斜めベッドによりかかったまま牛乳パックを掴み無理矢理何口か飲んだ。他のおかずは見るだけでムカムカする。でも食べなきゃ。お椀の味噌汁をちょっとすすった。割と美味しいのに気色悪い。他は手つかずだけどこれ以上無理そう。

一旦食事を諦めベッドにもたれかかり固まっていると、回診の先生が来た。
無理しなくていいけど、口から食べて体が栄養吸収しないと帰せない、と全く予期しなかった言葉に焦る。点滴の栄養だけだと不十分だそう。

「とりあえずこのあと診察室で判断するから、歩けなければ車椅子使って来て」

 

雲行きが怪しい。そういえば夫にラインしてない。携帯を見ると「退院できそう?」ってちょっと前にラインがきてる。当初の退院予定は今日なので9時半には迎えに来るのだ。車がなく公共交通機関だから朝早くから支度してるらしい。携帯がめまいを引き起こしがちなので短く打つ。

「下手するとだめかも」

 

8時半 診察時間

先生が用意させた車椅子を看護師さんが運んできたが、これが吐き気を助長してしまう。乗ってバックされたらすぐにまたリバース。

麻酔のせいなのか、メニエールの影響なのか、三半規管が狂って車酔い状態なのか、もうわからない。

酔うから自分で歩きますと言っても、看護師さんは危ないから座ってと言う。仕方なくオケと箱ティッシュを手に車椅子に乗るが、ちょっと進んだらまたリバース。情けない。背中をさすってくれる看護師さんの手の温もりが身に沁みる。

先生の言った通り栄養吸収できてない。さっきの牛乳と味噌汁を戻しちゃった。ドス黒い血は止まったみたい。

 

親切心なのに、私にとっては拷問みたいな車椅子で診察室前に着いた。口元にオケを当てながら車椅子に座り衰弱した私を見て、先生は診察するまでもなく仰った。

「退院を延ばしましょう。食べれない分は点滴追加ね」

 

 

 

……悲しみ。

 

 

 

病室へ戻りながら、抜歯ごときでまさかの退院延期に落胆する私を看護師さんが慰める。

まぁ今日は寒いから暖かい部屋でもう一日ゆっくりして体調戻しましょう、ねっ。(優しい)

帰りたかった。家でゆっくりしたかった。また眠れぬ一夜を過ごすのかと思うと憂鬱でしかなかった。

でも、確かに退院と言われても、帰れる気がしなかった。きっとタクシーの中でリバースしてしまう、と思う自分もいた。

 

ベッドに戻ると退院延期になったことを夫にライン。確か明日も休みだから来てもらおう。

「きょうなしで 明日きて」

気持ち悪いので電報みたいな文だけ打って携帯通知オフに。

 

 

昨夜から私を世話してくれた看護師さんが夜勤明けで帰る前に、私のために色々ベッド周りを整えてくれた。

オケに入れるゲロ袋を取り換えやすいように何枚もセットしたり、私がゴミを捨てやすいようにベッド脇にゴミ袋をセロテープで貼ってくれたり、まだ片付けられていない残した朝食の中から、ほうじ茶だけを「あとで飲めたら」とテーブルに置いてくれたり。のちのち水よりお茶が飲みやすくてとても助かった。

「なんでも山下さんの過ごしやすいようにして下さい。遠慮なくナースコール押して下さいね」

と気遣いの言葉を残して天使は去っていった。あんなにゲロ吐いたり面倒かけたのに嫌な顔もせず。本当にありがとうございました。

 

【もうちょい続く】

親知らず抜歯 手術編 day2 悪夢の始まり

〜複数親知らずを抜くため入院した記録④〜

 

③はこちら↓

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「山下さん(仮名)、終わりましたよ〜」
と呼びかけられて意識が戻る。

 

無事に終わったのか…


まだ意識は朦朧としている。

 

「山下さんわかる〜?手動かしてみて〜、目開けられる〜?」

 

目を開けて眩しい光と共に先生方の顔がボヤッと見えた瞬間、鼻に痛みが走る。私の自力呼吸を確認した先生が鼻の管を抜き取ったのだった。

直後に急激な寒気に襲われ、こんな風になったことがない勢いで歯がガチガチガチガチ鳴り出し、体もガタガタ震え出した。異常に寒い。すぐに電気毛布をかけてくれて徐々に震えが治まった。

痛い?だか、大丈夫?だか、意識の確認でやたら何かを聞かれるのだが、喋ろうとしても麻酔のせいか全く声が出ない。返事して〜と言われるので、声にならない声を振り絞る。

「声が出ません」(空気音)

なんとか2度目で伝わった。
止血のため綿みたいのを噛まされてまた意識が飛んだ。

 

気づいたら病室にいて、横に夫と看護師さんがいた。点滴から痛み止めや抗生剤、栄養剤が流されている。

痛み止めのおかげか思ってたほどの痛みはない。

このあたりの記憶は途切れ途切れなのだが看護師さんに、痛いより気持ち悪いと言ったのは覚えている。

 

夫がヨーグルトを買ってきて冷蔵庫に入れようとしているが、テレビカードを挿さないと通電しないことを伝えるも、声が思うように出ないので一苦労。手術時間がどのくらいだったか聞いても夫には私が何を言ってるのか聞き取れない。(実際は2時間15分位)無理して声を出そうとするのがしんどくて何だか気分も悪い。もう寝てしまいたいので夫に帰ってもらった。

携帯を横に置いとくから気分良くなったら連絡してと言われたが、多分無理だ。

 

 

そのまま3時間ほど寝たようだ。20時頃看護師さんに起こされ、

「もう麻酔は切れてるからトイレまで歩いてみましょう」

まだ気分が悪い。嫌な予感がして、ちょっと無理かもと答える。さっきより声は出る。

看護師さんは怠けるなとばかりに、もう立てるはずだからトライしましょう、と有無を言わさずベッドの背を起こした。体が垂直に近づくとやっぱりキタ。いつもの麻酔後遺症だ。これはマズい。

「やっぱり無理です。気持ち悪い。吐くかも」

看護師さんに悪気はないのだろうがガン無視。ちょっと足をベッドの横に下ろしてみてねと、どうしても立たせようとする。

もう嘔吐確定。ベッド脇に置いてくれていた吐く用のオケをガシッとつかみ口元に当てその時に備える。

恐る恐るベッドから腰を上げ、言われるままに足踏みした瞬間、

 

リバース。何度も。ほらね。

 

看護師さんもやっと本気でヤバかったことをわかってくれて、ちょっと一旦座りましょと言ってくれる。

ここからもうずっと吐き気との戦い。

気分悪くて目も開けられない。動けないから口もゆすげない。看護師さんにテーブルから箱ティッシュを取ってもらって口元を吹くことしかできない。厳しい〜。麻酔のばか。

嘔吐物は主に血。(手術時に大量に飲み込んだ?)口の中が血の味で充満してる。おえ。

ちょっと休んでまたトライしましょうと看護師さんはベッドの背を立てたまま去った。私は横向きで斜めにベッドに寄りかかり、足をベッド横に下ろしたまま休む。まだやるのかよ〜泣。

しばらくしたら医師が回診に来て、グッタリしている私を見て目を丸くした。ここぞとばかりに立ち上がれませんアピールをしたら無理しなくていいと言うので、ベッドを平らに戻して横になった。

とにかく寝なくては。睡眠が一番の薬なのは経験上良くわかっている。しばし眠らせて下さい…

 

 

22時頃 夜勤の看護師さんが来てトイレの心配。初めて歩く時は必ず付添う決まりなのだ。そんなに尿意はないものの、沢山点滴してるからと言われると不安になり、もう一度起き上がってみる。

 

再びリバース。

 

こりゃ無理だ。看護師さんも「起き上がるのは無理ですね、もしトイレ行きたくなったらこれ使って下さい」と尿瓶とトイレットペーパーをベッド脇に置いた。マジですか。

気持ち悪さと尿意の気がかりが行ったり来たりしながら時間が過ぎていく。

深夜を過ぎて尿意が強まる。これだけ点滴されてたら朝まではもたない。出すしかない。吐き気を堪えて寝ながら尿瓶に挑むが使用法がわからず悪戦苦闘して、結局ナースコール。

看護師さんが手伝ってくれたが部屋では無意識の羞恥心が働くのか出ない。やっぱりトイレに行くしかないと立ち上がると、

 

再々リバース。(しつこい)

 

でも今行かないとまた看護師さんに迷惑をかける。自分で口元にオケと箱ティッシュを抱え、看護師さんが点滴スタンドを引きながら私を支える。

この間も吐き気が止まらずトイレ内でもリバース。オケにはまだドス黒い(赤い?)血。なんじゃコリャ。トイレ内の洗面台でやっと口をゆすぐ。血だらけでグロい。

 

出すものを出して口もゆすげて少しホッとしてベッドに戻る。おかげでその後少し眠れたようだ。

 

【まだ続く】

 

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親知らず抜歯 手術編 day2 空腹との戦い

〜複数親知らずを抜くため入院した記録③〜

 

②はこちら↓

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6:00 起床 

ほぼ寝られなかったのでもうしばらく寝たいところだが、周りの物音で全然眠れない。

八千草さんも渋谷も一斉に起き出して身支度を始めたようだ。ひとしきり身支度が終われば静かになるかと思ったが、何をしたらそんなうるさいのと聞きたくなるくらいずっと物音が止まない。ゴンッ、ガンッ、ドン、ダン、ガタン、バタン、ガサガサガサガサガサッ。

 

寝るのは無理だ。諦めて顔を洗った。

どうやら渋谷は退院で荷物をまとめてるみたい。でも朝6時からじゃなくても。ま早く帰りたいもんね。

 

7:00に朝食だが今日は手術なので私は抜き。水だけは9時までOK。

 

8:30 処置室へ(毎朝のルーティーン)

ほぼ顔合わせで終わり

 

手術予定時間は13:20だけど、それまでの手術の進捗状況によっては14時や15時になることもあるらしいのだ。長い一日になりますね、と看護師さんが苦笑い。

何が辛いって朝食抜きだからお腹がすいて仕方ない。腹の虫がけたたましい。山を超えても数時間でまたグゥ~とかキュ〜とかうるさい。他人の物音をどうこう言えない。

 

昼前に手術前処置のため外来に呼ばれる。手術時にばい菌が体内に入らないように歯の汚れを落とす処置を受ける。

 

12:30頃 夫到着

抜歯とはいえ全身麻酔で意識がなくなるので立会人が必要で、さすがの夫も有休をとった。

あんなに「入院のしおり」で面会は警備室で受付してからと確認したはずなのに、なぜか直接病棟にやって来てセキュリティロックで足留めされる夫。

どうせ私も暇なので一緒に警備室へ行ってから部屋に戻って小声で話したり携帯いじったりしながら、ひたすら呼ばれるのを待つ。

予定時間はとうに過ぎた。食べられない、飲めない、暇。空腹に耐えかねてベッドで体を捻じる。もう空腹を通り過ぎて気持ち悪いしなんだか胃も痛い。早くして~。もはや恐怖心というより待つのがしんどい。

一応13時頃手術着と着圧ソックスを履きましょうと看護師さんに言われていたので、自分で着替えたら後ろ前に着ていて、あとで看護師さんに呆れ笑いされた。

 

14:15 ようやく呼ばれた。

看護師さんと夫と共に手術室へ。入口で夫と手を振って別れ扉が閉まると、いよいよ緊迫してきた。わ〜またこの感じ、キター。
ビニールキャップに髪をしまい、一番奥の手術室まで長い通路を歩く。かなり冷えた空間で寒い。

緊張感が増すものの今回はお腹を切る手術じゃないのでだいぶ気が楽だ。お腹の手術前は下剤が嫌だし、術後は傷が痛くて排便が辛いけど今回は歯だから関係ない。嬉しい。

手術室前まで来ると、入院時に手首に2本つけられたバーコード入りのネームバンドを見せるのだが、なんと1本しかないことが発覚し騒然となる。簡単に切れるバンドじゃないのになぜ?!恐らく緩すぎていつの間にか手首から抜け落ちたみたい!ネームバンドのバーコードを読み込まない限り手術はできない規則だそうで、再発行しに別階のナース室へ走っていく看護師さん。スミマセン。

こんな時さえやらかす自分。忙しい先生方に本当に申し訳ない。しばしネームバンド待ち。

さっき手術室までの道すがら「お腹すいた〜」と私が何気に言った一言を看護師さんが覚えていて、担当医に「手術のあとヨーグルトみたいなものを食べても大丈夫ですか?」と聞いてくれた。

先生は「全然いいけど、果たしてそんな気になるかな」と不吉な笑みを浮かべた。私も全くそう思うよ、絶対無理だわ。

 

再発行されたバーコードを装着しリーダーで読み込んでもらい、やっと準備が整い手術室へ入る。

逃げ出したい気持ちを抑えながらついに手術台へ横になる。いやだ〜という気持ちと、仕方ないという気持ちが葛藤している。

血圧と脈拍の装置が取り付けられ自分の鼓動がピッピッとどこかから大ボリュームで聞こえてくる。なんか時々不整脈みたいに不規則になるけどストレスかしら。

点滴の針を刺される。薬を流すのでボーッとしますよと言われる。思ったよりボーッとしなかった。そして鼻と口を覆うマスクを当てられ深呼吸を促される。少しぼーっとしてきたがまだ意識がある。このあともっと意識がなくなるから大丈夫ですからね~と言われる。また薬を入れますよ~と言われたら冷たいものが体に入ってくるのを感じ、意識がなくなった。

 

【まだ続く】

 

 

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