〜複数親知らずを抜くため入院した記録③〜
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6:00 起床
ほぼ寝られなかったのでもうしばらく寝たいところだが、周りの物音で全然眠れない。
八千草さんも渋谷も一斉に起き出して身支度を始めたようだ。ひとしきり身支度が終われば静かになるかと思ったが、何をしたらそんなうるさいのと聞きたくなるくらいずっと物音が止まない。ゴンッ、ガンッ、ドン、ダン、ガタン、バタン、ガサガサガサガサガサッ。
寝るのは無理だ。諦めて顔を洗った。
どうやら渋谷は退院で荷物をまとめてるみたい。でも朝6時からじゃなくても。ま早く帰りたいもんね。
7:00に朝食だが今日は手術なので私は抜き。水だけは9時までOK。
8:30 処置室へ(毎朝のルーティーン)
ほぼ顔合わせで終わり
手術予定時間は13:20だけど、それまでの手術の進捗状況によっては14時や15時になることもあるらしいのだ。長い一日になりますね、と看護師さんが苦笑い。
何が辛いって朝食抜きだからお腹がすいて仕方ない。腹の虫がけたたましい。山を超えても数時間でまたグゥ~とかキュ〜とかうるさい。他人の物音をどうこう言えない。
昼前に手術前処置のため外来に呼ばれる。手術時にばい菌が体内に入らないように歯の汚れを落とす処置を受ける。
12:30頃 夫到着
抜歯とはいえ全身麻酔で意識がなくなるので立会人が必要で、さすがの夫も有休をとった。
あんなに「入院のしおり」で面会は警備室で受付してからと確認したはずなのに、なぜか直接病棟にやって来てセキュリティロックで足留めされる夫。
どうせ私も暇なので一緒に警備室へ行ってから部屋に戻って小声で話したり携帯いじったりしながら、ひたすら呼ばれるのを待つ。
予定時間はとうに過ぎた。食べられない、飲めない、暇。空腹に耐えかねてベッドで体を捻じる。もう空腹を通り過ぎて気持ち悪いしなんだか胃も痛い。早くして~。もはや恐怖心というより待つのがしんどい。
一応13時頃手術着と着圧ソックスを履きましょうと看護師さんに言われていたので、自分で着替えたら後ろ前に着ていて、あとで看護師さんに呆れ笑いされた。
14:15 ようやく呼ばれた。
看護師さんと夫と共に手術室へ。入口で夫と手を振って別れ扉が閉まると、いよいよ緊迫してきた。わ〜またこの感じ、キター。
ビニールキャップに髪をしまい、一番奥の手術室まで長い通路を歩く。かなり冷えた空間で寒い。
緊張感が増すものの今回はお腹を切る手術じゃないのでだいぶ気が楽だ。お腹の手術前は下剤が嫌だし、術後は傷が痛くて排便が辛いけど今回は歯だから関係ない。嬉しい。
手術室前まで来ると、入院時に手首に2本つけられたバーコード入りのネームバンドを見せるのだが、なんと1本しかないことが発覚し騒然となる。簡単に切れるバンドじゃないのになぜ?!恐らく緩すぎていつの間にか手首から抜け落ちたみたい!ネームバンドのバーコードを読み込まない限り手術はできない規則だそうで、再発行しに別階のナース室へ走っていく看護師さん。スミマセン。
こんな時さえやらかす自分。忙しい先生方に本当に申し訳ない。しばしネームバンド待ち。
さっき手術室までの道すがら「お腹すいた〜」と私が何気に言った一言を看護師さんが覚えていて、担当医に「手術のあとヨーグルトみたいなものを食べても大丈夫ですか?」と聞いてくれた。
先生は「全然いいけど、果たしてそんな気になるかな」と不吉な笑みを浮かべた。私も全くそう思うよ、絶対無理だわ。
再発行されたバーコードを装着しリーダーで読み込んでもらい、やっと準備が整い手術室へ入る。
逃げ出したい気持ちを抑えながらついに手術台へ横になる。いやだ〜という気持ちと、仕方ないという気持ちが葛藤している。
血圧と脈拍の装置が取り付けられ自分の鼓動がピッピッとどこかから大ボリュームで聞こえてくる。なんか時々不整脈みたいに不規則になるけどストレスかしら。
点滴の針を刺される。薬を流すのでボーッとしますよと言われる。思ったよりボーッとしなかった。そして鼻と口を覆うマスクを当てられ深呼吸を促される。少しぼーっとしてきたがまだ意識がある。このあともっと意識がなくなるから大丈夫ですからね~と言われる。また薬を入れますよ~と言われたら冷たいものが体に入ってくるのを感じ、意識がなくなった。
【まだ続く】