〜複数親知らずを抜くため入院した記録⑦~
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退院前夜の20時過ぎ
昨日から同室の清川虹子さん(声から命名)が舌打ちをしながらナースコールを連打し、応答した看護師さんに怒鳴った。
「眠剤持ってきてよ!あれがなきゃ私はだめって言ったでしょ!」
病室内がピリつく。
病院に預けた10年愛用の眠剤を午後8時に持ってくるのを看護師さんが忘れたのだ。
持ってきた看護師さんに尚も治まらない怒りをぶつける虹子さんにとって、相当重要な眠剤らしい。
その気持ちもわかるし、複数患者を担当して忙しい看護師さんの事情も察する。
最終的には、感情的になった虹子さんもさすがに気まずくなったらしく、看護師さんに謝って一件落着。
ただ。
そのあと私は、虹子さんの睡眠が気になって仕方なくなった。
民剤にこだわる虹子さんの眠りを妨げちゃいけない… 虹子さんが寝れなかった!とヒステリーを起こすんじゃないか…
昨夜私がオエオエする向こうでいびきを掻いてグーグー寝ていたが今日は静かだ。民剤飲む時間が遅れて寝られないのだろうか…
私もいびきや歯ぎしりをしませんように…
点滴のせいで夜中何度もトイレに行く度に、音を立てないようにソ~っとカーテンを引き、点滴スタンドをやや持ち上げるように引くとガラガラ鳴らない技を習得し、トイレのドアも静か~に開閉。
気配りの塊と化した自分。どんだけ”気にしい”なんだ。
そんな私に相対して、あとのお三方は物音を立てることに何のためらいもなく、ガラガラ、バタン、シャッ、ふぁ~(アクビ)。三人ともめちゃくちゃ咳き込む。(そりゃ仕方ない)
それで全然いいんですけどね。
朝5時 虹子さん起床
虹子さんがトイレへ行く時の大きな物音で、浅い眠りから目覚める。
トイレから戻ると朝のルーティーンが始まった。ベッドの上で足の体操。ポン、ポン、ポン、ポン、ポンと足を叩いているらしき音が永遠に続く。そのあとシーツをこするサー、サー、サー、サー、サーって音。恐らく足を動かしてるんでしょうかね。もうその音が気になって眠れない。一瞬かと思ったら30分やってましたわ。起床時間の6時まで待てないのかなー。
私は絶対に今日退院する!と決意を強くした。
嫌味じゃなく、あれくらい図太くなりたいものです。
そのまま起床時間となり朝食後の診察で、無事に退院確定。
先生が処方箋と次回の抜糸予約をシステムへ登録。
病室に戻り、未だ装着されている点滴を取り外して下さいとナースコールをするが、看護師さんは不思議顔で、まだ栄養剤と抗生剤の点滴が出ていますけど?と。
先生からの指示が看護師さんに届いていないようだ。
え、もう退院なんですが?10時に夫が迎えに来るんですが?
結局先生からは、帰る前に抗生剤だけはするようにとのこと。最後の最後まで点滴から解放されずベッドで点滴が終わるのを待つことになった。
点滴に繋がれ、動きも取れず着替えもできず。
なんだかな~な気分で、やっと点滴が終わり管を抜いた時の解放感たるや。
さて、ちゃっちゃと荷物をまとめ支度して会計待ち。まだ微熱もあり本調子じゃないので少し気分が悪い。また具合悪くなる前に早くここを出てしまわなければと焦る。
その間ゴミ捨てやベッド交換が来るが、私が退院することが伝わってないらしく、
「今日退院ですか?聞いてないねぇ、コソコソ…」ということが2回。
30分くらいしてやっと会計の方が来た。これで帰れると思ったが、この後看護師さんが荷物や薬の置き忘れがないか等を確認に来るので待つように指示される。
病み上がりにパイプ椅子に座ってじっと待っているのは結構キツイ。しかも全然来ない。約30分後しびれを切らしナースステーションへ行くと、これまた私の退院が伝わっていなかったのだった。
憮然とした私の空気に慌てて病室へ来てくれた看護師さん。一緒に荷物の確認をするのかと思っていたが、ただ「忘れ物はありませんか?もしあったら取りに来てもらうか、廃棄になりますから」とお断りの言葉を言うだけ。
これ待ってる必要あった??
と最後にケチがついた入院となったが、先生や看護師さん一人ひとりはとても頑張ってくれているのに、全体の連携が上手くいっていないのが残念な病院、という印象だった。人手も足りないのかな。
今回の教訓↓
ケチって相部屋にしたが、もしまた入院することがあったら個室一択。
万が一個室が空いてなければ、耳栓、アイマスク、は必須。
それからオケとティッシュも欠かせないことを忘れるな。(自分だけ)
【完】